これまでの説明を読んでいただいた方には、
第2の自分の歯と言っても過言ではないほど、多くのメリットを持っているインプラントではありますが、残念ながら、インプラントは自分の歯には勝てませんし、自分の歯に勝るものはありません。
その最大の違いはインプラントと自分の歯の周辺の組織にあります。 それを詳しく見てみましょう。
自分の歯には歯根膜がありますが、インプラントには歯根膜がありません。
歯根膜は歯に衝撃などが加わった際のクッションのような役割を果たします。また、センサーの役割も果たし、歯に大きな衝撃が加わったときにそれを脳に知らせ、その衝撃を回避する役割もあるのです。
歯根膜がないインプラントはクッションの役割を果たす歯根膜がないので、衝撃をもろに伝えてしまうという欠点があります。そのため、咬み合わせの調整がしっかりと出来ていない場合には、反対の歯やインプラント自体を痛めてしまう原因となる場合があります。
また、インプラントには線維の走行は垂直に走行しないこと(Buser D 1993)、血液の供給も2方向(骨と歯ぐき)と少ないので、感染に対する防御反応も劣ることも示唆されています(Ericsson 1992,Lindhe 1992, marinello1995)。
また、Buser D (1993)らによって線維の走行は上部から見ると輪状にインプラント体を取り囲むように走行していることが報告されています。
以上のようにインプラントは自分の歯に比べると、感染に弱いので、長く持たせるにはしっかりとしたブラッシングと継続的な定期健診の受診が必要になります。 |