この簡単な方法で失ってしまった自分の歯を取り戻そう! 30代、40代で歯を失ってしまった方は次のように思うようです。
場所や抜けてしまった本数にもよりますが、年齢が若い方が最も選択するのはブリッジという治療方法です。
ブリッジができるのであれば、ブリッジは保険ですることもできますし、治療も簡単、患者様に負担もかからないので、とても良い治療方法だと感じる方がとても多いようです。 逆に、部分入れ歯は入れ歯というイメージがありますから、ほとんどの方は選択されませんし、歯科医師の立場からしても、あまりオススメできません。
もう1つ、失ってしまった歯の治療法としてインプラントというものがありますが、これは手術が必要になりますし、お金もかかりますし、治療期間も長くかかってしまいます。
しかし、このインプラントが色々な面を考えて最も良い治療法なのです。 多くの方はご存知ではありませんが、実はブリッジが平均して、どれくらいの期間、お口の中で持ったのかということを調査した論文があります。
その調査によると、ブリッジは平均して8.0年でダメになってしまっているのです。これはブリッジ自体の強度が8年しか持たないという意味ではありません。もちろん、ブリッジが壊れてしまったケースもあると思いますが、大半のケースではブリッジを支えている歯が持たなくなってしまったというケースなのです。
ブリッジというのは抜けてしまった歯の両隣の歯を削って、両隣の歯を支えにして、抜けてしまった歯の代わりの人工物を支えるという形を取ります。
ですから、この支えている歯がダメになってしまうと、両隣の歯、もしくはどちらかを抜かなければいけなくなってしまうのです。 その期間は平均するとたったの8年しかないのです。
実際に私が毎日、診療をしている現場でも、ブリッジが壊れてしまって来院される方が多くいらっしゃいます。もちろん、ブリッジの強度の問題で壊れてしまう場合もありますが、それよりも支えていた歯が虫歯になってしまったり、支えていた歯が歯周病になってしまって、支えきれなくなってしまったり、支えていた歯の根っこが折れてしまうというケースも多く見受けられます。
このように支えていた歯を抜かざるを得ない状況になると、残りの選択肢が部分入れ歯かインプラントになってしまい、そこで始めてインプラントにしようか迷われる方も多くいらっしゃいます。
しかし、そうするとインプラントにする本数が3本とかになってしまし、金額が高くなってしまいます。それよりも、いかに早い段階、つまり一番最初に歯が抜けてしまった段階で最善の選択肢を選ぶかが、その後の費用にも大きく関わってくるのです。 インプラントもきちんとメンテナンスをしていただければ10年は持ちますが、仮に10年でインプラントが抜けてしまったとしても、その両隣の歯にマイナスの影響を与えてしまうということはないのです。
また、インプラントを除去しなければならなくなったとしても、しっかりとメインテナンスに通っていただいていれば、早めに除去して、再度、インプラントを埋入することも可能になるのです。しかも、それは保証期間内で保証の範囲でさせていただくことが可能なのです。
また、多くの方が見落としている点があるのです。
それは、私のような歯科医師であれば、ほぼ全員が知っていることですが、一般の方にはほとんど知られていない驚愕の事実なのです。
その驚愕の真実とは・・・ ブリッジ、部分入れ歯は、お手入れが悪いと、次第に支えている歯がダメになってしまい、その範囲を拡大し、最後は総入れ歯になってしまうことがあるということです。
つまり、ブリッジ、部分入れ歯は、他の歯の寿命を犠牲にしていることがあるのです。
どんな人でも、総入れ歯になりたくはないと思います。
私は歯科医師ですから、総入れ歯の患者様の治療もさせていただきます。
やはり、味を感じる部分に人工の物が入ってしまえば、きちんと味わうことも満足に出来ませんし、入れ歯の歯で食べてもその食材の食感、咬み応えというものを感じることは難しくなります。
温かいものを温かいと感じ、冷たいものを冷たいと感じることも入れ歯ではとても難しいのです。
それが入れ歯の限界なのです。 そして、その限界について、多くの患者様が嘆くのです。 「もう一度、自分の歯で美味しい食事を思いっきり味わいたい」 そんな患者様の姿は必ず、とても悲しげなのです。
しかし、まだご自分の歯がたくさん残っているあなたはまだ間に合うのです。
また、財団法人ぼけ予防協会のホームページをご覧になっていただくと東北大学との共同研究の結果が掲載されています。
1167人の検診受診者を3つのグループに分けました。「健康郡(652人、55.8%)」、「痴呆予備郡(460人、39.4%)」、「痴呆の疑い(55人、4.7%)」の3郡に分けたそうです。
すると、健康な高齢者のお口の中には平均して14.9本の歯が残っているのに対して、痴呆の疑いがもたれた55人のお口の中には平均すると9.4本しか歯が残っていなかったのです。
さらに、脳をMRI検査すると、歯の数が少ないほど海馬付近の容積が減少しており、意志や思考など高次の脳機能に関連する前頭葉などの容積も減っていることが分ったそうです。
※海馬とは大脳の側頭葉の内側にあり、記憶や学習のメカニズムを担っている。タツノオトシゴのような形をしていることから命名された。入ってきた情報は海馬に一時的に保存され、「長期増強」という定着機能によって記憶に変わると考えられている。
この調査結果を受けて東北大学の渡辺教授は「噛むことで脳は刺激されるが、歯がなくなり、歯の周辺の神経が失われると、脳が刺激されなくなる。それが脳の働きに影響を与えているのではないか」と話されたそうです。
これはつまり、お口の中に残っている歯の本数と痴呆との関連が証明されたわけではありませんが、示唆された調査です。
このように歯の残っている本数、噛むことで脳に与えられる刺激が脳の働きに大きな影響を与えていると考えられているのです。
そういう点からも、インプラントの重要性がご理解いただけるのではないでしょうか。 では、どうしてブリッジ、部分入れ歯の終着点は総入れ歯だと言えるのでしょうか。
それは、ブリッジにしても、部分入れ歯にしても、無くなってしまった歯を補うための人工歯があり、それを支える歯があるからです。 例えば、歯が1本、無くなってしまったとします。
これは人間でいえば、「これまで3人でしていた仕事をこれからはずっと2人でやれ」というのと同じようなものです。最初のうちは「頑張ります!」と頑張っていても、何年も経つと負担が大きくなりすぎて「もう、しんどいので辞めさせていただきます」となってしまうのです。
このようにして、負担に耐え切れなくなって支えていた歯(支台歯)が抜けてしまうのです。今度は2本抜けてしまったので、4本分の仕事を2本でやることになるのです。
ブリッジのような固定式の治療法の方が部分入れ歯のような取り外し式のものより負担は少ないので、支えていた歯も耐えられる年数が長いようではありますが、それは根本的な解決にはなりません。
お口の手入れの状況にもよりますが、ブリッジで支えている歯が持つのは平均して8年、部分入れ歯だともっと短くなってしまうと言われています。
このようにして、1本から2本、2本から3本と抜けていく範囲が拡大し、支える歯にかかる負担はどんどん増して行き、その支えられる期間もどんどん短くなって行ってしまうという根本的な問題点を含んでいるのがブリッジと部分入れ歯という治療法というよりは対処法なのです。
それに比べて、インプラントは他の周辺の歯に負担をかけることはありません。 ですから、単に咬み心地が良くなったり、見た目が良くなるだけではなく、他の今、残ってる歯に負担を全くかけない、つまり、他の残っている歯を最大限、残し、自分の歯で美味しいものを食べ続けるためにも、現段階では最高の治療法ということになるのです。
このようにインプラントの魅力というのはブリッジ、部分入れ歯と比べると比較にならないほど、多くあるということがお分かりいただけましたでしょうか。
もし、私が自分の歯を失ったら、そして、私の家族が歯を失ったら間違いなく、インプラントを薦めます。なぜなら、費用が多少、かかったとしてもそれ以上の価値を得ることが出来るということを確信しているからです。
インプラントは費用は多少、かかるかもしれませんが、その費用を払う代わりに、自分の歯の健康、そして生きがい、人生の楽しさというお金では決して買うことの出来ないものまで手にできる可能性を拡げる素晴らしい治療法であると私は確信しています。
そして、この治療によってできるだけ多くの方が笑顔を取り戻し、その笑顔でこれからの人生を歩まれるお手伝いをしていくことこそが歯科医師としての生きがいでもあると考えています。 |